


日本のヒバ蓄積の8割以上が育つ青森。樹齢200年の天然青森ヒバ100%を、 板目と柾目で組んだ、軽く・反りにくい毎日のための一枚。

プラスチックや金属は確かに丈夫で扱いやすい素材です。けれども毎日、刃を当てる相手としては硬すぎ、刃を疲れさせます。木のまな板の良さは、刃をやさしく受け止めて返してくれる柔らかさと、傷ついても表面が次第に均れていく自己再生の感覚。包丁を長く使いたいなら、まな板が柔らかいほうがいい──これは料理人がずっと木を選んできた理由でもあります。
それに天然の木は、それぞれが固有の精油や色素を心材に貯えていて、塗装やコーティングに頼らずとも自らを腐敗から守る仕組みを持っています。台所のなかで毎日水と食材に触れるものだからこそ、素材そのものが安心な木を選ぶ意味があります。

木のなかでも、青森ヒバには明確な理由があります。
ヒバの心材には、植物由来の精油成分のなかでも特に強い抗菌作用が知られている ヒノキチオール(β-ツヤプリシン) が含まれます。建築用材の代表的な腐朽菌である ワタグサレタケに対する耐朽度試験で、青森ヒバはヒノキ・スギ・カラマツ・ベイマツ・ベイツガなど主要建材10樹種中で 最高評価 10/10 を記録。比較対象のスギは0、ヒノキは9でした(出典:青森営林局『青森ヒバ材』)。
歴史がそれを証明してきました。九百年を超える平泉・中尊寺金色堂、青森・弘前城、明治の旧青森営林局庁舎(青森市森林博物館)──いずれも塗装やコーティングではなく、ヒバそのものの力で時代を越えてきた建築です。
そして、ヒバまな板を選ぶなら、その木はやはり青森の天然林から来てほしい。日本各地に自生するヒバですが、蓄積量の8割以上が青森県 に集中します(出典:青森県農林水産部林政課『青森県の森林・林業 令和7年度概要』)。さらに県内ヒバの 約98%は国有林として守られ、民有林にはわずか0.6%。市場に流通する量は構造的に限られた木です。津軽・下北の風と霧のなかで樹齢200年前後まで育つ天然林の資源は、植えてすぐに増やせるものではありません。
「ヒバ」の名は、古くは「アテヒ」と呼ばれました。「アテ」は 高貴な、「アテヒ」は 高貴なヒノキ の意。 ── 田代太志『青森ヒバの不思議』巻頭言(1990)

青森ヒバのまな板にも、大きく分けて二つの作り方があります。一枚板 と 集成材。一枚板は、二百年を生きた一本の木目を継ぎ目なく味わえる特別な作り。けれども、まな板に使える良質な心材が一本から取れる量は限られ、価格も供給も自ずと限られたものになります。
本品は、木目の美しい 板目 と、年輪に垂直で安定性に優れた 柾目 を組み合わせた集成材です。それぞれの面の性質を補い合うように貼り合わせることで、一枚板の風格には少し譲るかわりに、
を両立しています。「毎日使えるヒバまな板を、まずは一枚」──Hiba Kitchen の最初の商品にこの集成材を選んだのは、そのためです。
ものづくりは、すべての工程を青森県内で。製材と乾燥・集成は県内の他市で。成型・面取り・仕上げは八戸市内の木工所で、一枚ずつ手作業で。最終検品と梱包は、半世紀以上ヒバを扱ってきた 檜屋木材店(八戸市) が担います。一人の職人がすべてを抱え込むのではなく、それぞれの工程に合った設備と熟練を、地元のつながりでつないでいく作り方です。
刃当たりは、気乾比重 約0.41──ヒノキとほぼ同じ柔らかさ。両面ともロゴの焼印を入れていないので、表裏どちらでもキッチンの景色に静かに馴染みます。使い始めはほのかにテルペンの森の香りが立ち、刻む時間、洗う時間に台所へと広がる。水でさっと濡らしてから使うと、においや色移りも抑えられ、自然乾燥だけで長くお付き合いいただける、毎日のための一枚です。
一枚一枚、木目と重量に個体差がございます。
自然素材ならではの表情としてお楽しみください。
| サイズ | 約 390 × 240 × 20 mm Approx. W390 × D240 × H20 mm |
|---|---|
| 素材 | 天然青森ヒバ集成材(板目・柾目) Natural Aomori Hiba — Laminated (flat & quarter grain) |
| 原産地 | 青森県 Aomori Prefecture, Japan |
| 仕上げ | 無塗装・手加工 Unfinished, hand-crafted |
| 重量 | 約 785 g(個体差あり) Approx. 785 g |
| 気乾比重 | 約 0.41(ヒノキとほぼ同等の柔らかさ) Approx. 0.41 (similar to Hinoki) |
ご使用前にまな板全体を水でさっと濡らし、布巾で軽く拭き取ってください。 木の表面に水の膜ができることで、においや色移りを防ぎます。
ぬるま湯と中性洗剤で優しく洗い、布巾で水気を拭き取ります。 直射日光や食器乾燥機はそりの原因となるため、避けてください。
風通しの良い場所で立てて自然乾燥を。 表面が荒れてきたら細目のサンドペーパーで軽く均すと、新品同様の表情が戻ります。