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長くつき合うために — ヒバまな板のお手入れ五つの基本
豆知識 · 2026.04.15

長くつき合うために — ヒバまな板のお手入れ五つの基本

ヒバの素材としての強さを最大限に活かすための、毎日のお手入れの基本五つ。使い始めの水濡らし、洗い方、乾かし方、置き場所、表面のリフレッシュ方法について。

豆知識シリーズ、第22回。素材としての青森ヒバの強さの話を、これまでたっぷり書いてきました。今月はその素材の力を 最大限に活かすため のお手入れの話です。

ヒバは確かに腐りにくく虫にも強い木ですが、それは「ちゃんと使えば」の話。逆に、扱いを間違えれば、いくら良い素材でも傷みは早まります。基本だけ押さえれば、何十年も付き合える素材ですので、五つのポイントとして整理してみます。

① 使い始め — まずは「水で濡らす」

新しいヒバまな板が届いたら、最初に 全体を水でさっと濡らす ことから始めてください。

蛇口の下に入れて、片面ずつ流水を当て、布巾で軽く拭き取る。表面が乾いている状態のままで使うと、食材から出る水分や色素が、木の繊維のなかにぐっと染み込んでしまいます。生肉や鮮魚の血の色、トマトやニンジンの色素、ニンニクや玉ねぎのにおい——いずれも、乾燥した木の表面は吸い込みやすいのです。

水で濡らしておくと、木の表面に 薄い水の膜 ができ、これがバリアの役割を果たします。色移り・におい移りを大幅に防ぐことができるので、毎回の使い始めの習慣にしていただくと、まな板の寿命がぐっと延びます。

② 洗い方 — ぬるま湯と中性洗剤で「優しく」

使い終わったあとは、ぬるま湯と中性洗剤 で優しく洗います。

熱湯はNG。木材は高温で繊維が縮み、変形や割れの原因になります。逆に冷水だけだと、油分や脂質が落ちにくい。ぬるめのお湯(35〜40℃くらい) が、ちょうどよい温度です。

スポンジは柔らかい面を使い、木目に沿って優しく擦ります。汚れが気になるときは、塩を振って亀の子たわしで擦る という伝統的な方法も有効です。塩の研磨作用と殺菌作用で、表面の油やにおいを取り除けます。

避けたほうがよいもの:

  • 漂白剤・塩素系洗剤:木材の繊維を傷め、白く変色させる
  • 食器洗い乾燥機:高温と急速乾燥で反りの原因になる
  • 金属たわし:表面に深い傷をつけ、汚れがかえって溜まりやすくなる
  • 長時間の浸け置き:木が水を吸いすぎて反りや変形につながる

「優しく、短時間で洗う」が基本です。

③ 乾かし方 — 「立てて自然乾燥」

洗ったあとは、布巾で水気をしっかり拭き取り、風通しのよい場所で 立てて自然乾燥 させます。

ここがいちばん重要です。台所のシンクの脇や、平らな台の上に寝かせて置いてしまうと、下面が乾かず、湿った状態が続いてしまいます。湿った状態は、いくらヒバとはいえ、表面の劣化を進める原因になります。

理想は、

  • 壁に立てかけて両面に空気が通る ように
  • 直射日光が当たらない 場所で
  • 食器乾燥機を使わない(高温で反る)

風通しのよさが確保できれば、数時間で内部までしっかり乾きます。毎晩、寝る前に立てかけておくと、翌朝にはサラッと乾いた状態になっています。

④ 置き場所 — 「直射日光」と「乾燥しすぎ」を避ける

長期保管や、使わないときの置き場所にも気をつけてください。

避けたほうがよい場所:

  • 直射日光が当たる窓辺:紫外線でヒノキチオールが分解し、表面が灰色っぽく変色する
  • コンロやストーブのすぐそば:急激な乾燥で割れやすくなる
  • エアコンの吹き出し口の真下:同じく急激な乾燥で割れの原因

おすすめは、台所の壁に立てかけて空気が通る場所か、引き出しの中で他のまな板と一緒に並べて保管する、といった自然なやり方です。

⑤ 表面のリフレッシュ — 「サンドペーパーで均す」

長く使っていると、表面に細かな包丁傷や、染み込み切らなかった色の跡が残ってきます。気になってきたら、細目のサンドペーパー(#240〜#400 程度) で軽く均してみてください。

サンドペーパーは、

  • 木目に沿って、まっすぐに動かす
  • 力を入れすぎない:軽く撫でる程度
  • 均一に:偏らないよう、全体を満遍なく

数分の作業で、表面が新品同様の表情に戻ります。ヒバは内部までヒノキチオールが行き渡っているので、表面を削っても抗菌・耐朽の性能はそのまま。むしろ削った直後は新しい心材面が出てくるので、香りが少し戻ってくることもあります。

「使うほどに馴染む」素材

これらのお手入れを基本にしていただければ、青森ヒバのまな板は10年、20年と使い続けられる道具になります。最初の数か月で表面の色味が落ち着き、数年経つと木目に独特の深みが出てくる。プラスチックのまな板とは違う、時間とともに育つ道具 の感覚を、ぜひ実感していただきたいと思います。

毎日使う場所だからこそ、ちょっとした手間が長い時間の積み重ねに変わります。来月は、こうしたヒバ製品を「贈る」シーンについてのお話を予定しています。

— Hiba Kitchen